東本願寺さんの様式

2017年01月04日

真宗本廟細部意匠 桁隠(けたかくし)

 東本願寺さんの阿弥陀堂、御影堂、山門、鐘楼堂の建造物等、細部に普遍的な様式美があります。

 呉善花(お・そんふぁ)さんの「日本の美風」から引用させてもらうならば「形式美のなかにある自然のリズム」、ご本山の細部意匠にはそんな美意識が伝わってきます。

 桁隠(けたかくし)は懸魚(げぎょ)ともいい屋根の桁を隠す部材です。斜めの位置に取り付けられバランスを保つのが難しいようです。斜面から垂れ下がっても下半分では水平を保ち、きちんと左右が対称になっています。

 ハート型でくり抜かれた猪目(いのめ)、内巻きの蕨手(わらびて)など、原則的な線様が宗派に根ざした様式として守り続けられています。

桁隠

 左が、日本人が美を感じる左右対称、垂直水平の桁隠。斜面から垂れ下がっても下半分では水平を保ち、きちんと左右が対称になっています。
 中央にハート型でくり抜かれた猪目(いのめ)、内巻きの蕨手(わらびて)が礼儀正しく配置されてます。

 右は、垂直水平が保たれていない桁隠。最初はそれほど気付くことがなくてもだんだんと違和感を感じます。以外とよく見かけます。


1-桁隠(けたかくし)

2-桁隠(けたかくし)
 写真は御影堂門北側の桁隠です。修復後にその細部意匠が一層鮮明になりました。
 複数の建造物、さらには私たちが作るお仏具にも原則的な線様として使われ、宗派に根ざした様式として守り続けられています。

 やっぱり日本人はこういう厳格な細部意匠によって心が和み、穏やかな気持ちになれます。
 私たちが作る仏具も、この伝統美を守り続けることで、永代心から手を合わせてもらえるお荘厳を完成することができます。

 細部の意匠を守り、受け継いでいくことも私たちの大切な役割のひとつです。


 *2012年のブログをリニューアルしました。


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2016年12月20日

如来様の救い

如来様の救い

 抗がん剤治療で入院中です。

 一人病室でこのブログを書いてます。

 毎日、朝から晩まで家内が付き沿ってくれて、ありがたいことです。

 今日、家内の話が耳について…



 今回、昨日まで個室が空いてなくて初めての相部屋でした。

 先生からかなり良い報告を受け、嬉しさのあまり、

 こられた看護師さんにその報告をしました。

 その様子を見ていた家内が、

 皆が皆、良い方向に向いてるわけではないから、

 相部屋ではそういうことは言わない方が良い。



 あなたがガンになったのは、

 阿弥陀様が「もっともっと謙虚になりなさい!」と言ったはるのとちがう?

 「もっと人に対する思いやをもちなさい!」とおしゃってると思うの。

 おかげさまで、奇跡的な快復ができてるのも、

 ひとえに阿弥陀様のお救いだと思う。



 家内は、毎朝の他、何かあることにお仏壇に手を合わせる信心深い人です。

 お念仏の救いの尊さを味あわせていただくよろこびとは、

 こういうことだったのか。
 

 (画像は2012年2月18日本店4階より東本願寺さん)

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2015年12月19日

御本尊のお身拭い

 今年も真宗本廟(東本願寺)様、御本尊阿弥陀如来像のお身拭いでした。

0-151219御本尊お身拭い
 平安佛所 佛師江里康慧さんをお迎えに上がり、いよいよ一年を締めくくる重要な行事の始まりです。



1-151219御本尊お身拭い

2-151219御本尊お身拭い

3-151219御本尊お身拭い
 毎年12月19日午前に執り行われる歳末行事です。来年3月31日には御本尊が阿弥陀堂にお戻りになられる「還座式」が厳修されます。御影堂でのお身拭いは今年が最後になります。

 朝なお薄暗い御影堂で大勢の堂衆・僧侶が見守られる中…、大谷暢顕ご門首様が仏さまのほこりを掃われます。

 揺れる朱蝋燭のわずかな光、静まり返り物音ひとつしない九字之間…、厳粛です。

 如来様に近づける歓びを味あわせてもらえる。

 ありがたい役割です。

 南無阿弥陀仏

 合掌




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2015年10月09日

御影堂門で視る日本人の働く精神

1-151009御影堂門仮設素屋根解体工事

2-151009御影堂門仮設素屋根解体工事

3-151009御影堂門仮設素屋根解体工事
 真宗本廟様「御影堂門仮設素屋根解体工事」が進み、日に日に伽藍全体が鮮明になってきました。



4-151009御影堂門仮設素屋根解体工事

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6-151009御影堂門仮設素屋根解体工事
 小堀本店の4Fから目にする様子は以前に読んだ竹田恒秦さんの本を思い出します。「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」に書かれてたことは…

 整備が悪く激しい振動のヨルダン高速道路がイラクに入った途端に道が良くなり振動が無くなる。この砂漠の高速道路はメイド・イン・ジャパン、1980年代に丸紅が作りました。こんな遠いところでもいいものを作ろうとする日本人がいたのです。

 ウズベキスタンのナヴォイ劇場、震度8の地震で見渡す限りの瓦礫の中でも全くの無傷だった。建てたのはシベリア抑留の日本人。強制労働であっても手抜きせず、完成度の高い仕事をすることが日本人の美徳。地元の大学生は母親から「日本人のような真面目な人になりなさい」と教えられ育ちました。建設にあたった日本の抑留者がウズベキスタンと日本との友好の絆を遺してくれたのです。


 御影堂門上で命がけで仕事をするこの方々のおかげさまで、多くの人々がお念仏の救いの尊さを味あわせてもらえます。

 一生けんめいに人様のお役に立とうと頑張っておられるこの方々は、良い仕事をすることが生きがいです。人生そのものです。

 家には幼い子どもがおられるかもしれません。完成後はぜひ「お父さんがやりとげた仕事だぞ!」と誇らしげに語ってください。

 くれぐれも事故のないよう無事成就されることを念じ上げます。本店4階の窓から合掌。



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2015年06月07日

信仰需給バランス

1-150607信仰需給バランス

2-150607信仰需給バランス
 阿弥陀堂を覆っていた工事屋根の解体が進み、薄暗かった後拝が阿弥陀仏の光明で照らされています。



2-極限美に接する
 御本山の御宮殿(ごくうでん)が小堀京仏具工房から阿弥陀堂へ戻され組み立てが始まりました。



4-150607信仰需給バランス

5-150607信仰需給バランス
 入れ替わりに名古屋別院様の御宮殿が仮組みされ、工房には再び巨大お仏具が登場しました。御本山の御宮殿と同サイズです。


 
 2013年4月の御宮殿分解時は、明治造営時の宮殿師と当社の宮殿師との知恵比べでした。いたるところに隠し栓があり、現在の仏具とは異なる複雑な構造に戸惑いました。

 修復前後の2度の仮組みによって組み立て技術を習得し、阿弥陀堂内での限られた環境での作業がスムーズに行われています。

 御本山のお仏具は歴史に残る逸品で現在の技術では復元困難なものが多くあります。技術的には製作可能なものであっても現在の一般市場の中で作ることは難しいでしょう。

 日本人の信仰心が需要レベルを高め、供給側がそれに応えるために技術水準が高まりました。また、私の父や曽祖父も信心深い人でしたが、作り手側にも熱心な真宗門徒が多かったと聞きます。

 こうした需要側と供給側に同等の仏教精神があることから、目を見張るような精巧美麗な仏具を生み出すことができたのでしょう。

 物量の需給バランスだけではなく信仰心の需給バランスが如何に大切であるかというこです。


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2015年04月24日

浄らかな日本の技術

 真宗本廟様「明治度造営関係資料」に印された仏具工事の記録です。
 明治27年3月25日 工事成績 宮殿上屋根木地出来
 明治27年8月28日 工事状況 宮殿須弥壇漆工中
 明治28年1月25日 工事成績 須弥壇取付済、金物ハ工事中

 雇入職工の種別内訳に、厨子職 宮殿職 金箔押職 塗師職 卓職 などがある。
 これでいいということはなく、生涯が修行と心に決め製作に励んだ人たちです。
 腕を磨き人間を磨き、その過程で完成された控えめな美…、繊細です。
 
 すべてのパーツが研ぎ澄まされ、完璧な仕上がりに目を奪われてしまいます。
 これらが組み合わされたときの荘厳美に、人々は感動し無意識のうちに手が合わさります。極楽浄土を説く仏具は説法がないときでも心浄らかになれます。 南無阿弥陀仏 合掌

1-日本の技術

2-日本の技術

3-日本の技術

4-日本の技術

5-日本の技術

6-日本の技術

7-日本の技術

8-日本の技術

9-日本の技術

10-日本の技術





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2015年04月17日

御本山御宮殿の仮り組み

2-宮殿仮組

1-宮殿仮組

 真宗本廟様御宮殿の仮組みです。

 「明治造営百年東本願寺」によると、御本山明治造営は、明治13年(1880年)起工、明治28年(1895年)完成、棟梁(1等)及び等級大工(〜9等)、御厨子係6等、雇入職工(厨子職 宮殿職 金箔職 塗師職 39種)、他に寄進職工と手伝大工。国産銅は規格が小さく西洋銅を使用したという記録もあります。

 そして、御宮殿は明治27年3月20日(1894年)宮殿上屋根木地出来塗師着手中と記されています。

 1895年、明治造営完成の年の1月に私の曽祖父 小堀岩吉が本家より独立し京都に開店しました。開店当初は仏壇が中心でしたが、650回忌の頃から大型寺院仏具の受注が増えだしました。

 信心が細部への関心の強い人を育てました。そして、日本人の需要レベルの高さがモノ作りの水準を高める役割を果たしたといえます。

 敬虔な信仰心が需要側の要求レベルを高め、供給側はこれに応えるために技術向上に努めました。質的需給バランスです。

 御本山の仏具には目を見はるほどの高品質なものが多くあり、今では作るのは至難の技です。細部にまで精巧美麗…、残念ながら技術水準は120年前の方がはるかに高いといえます。

 2年前、御本山で御宮殿を分解のときのことです。仏具はホゾ穴に差し込んで部品と部品をつなぎ、接着はしません。ですから引っ張るとかんたんに抜けるはずです。ところが、どんなに強く引っ張っても抜けません。びくともしないのです。

 そこで、当社の極めて高い技術を持つ木地職人が鋭い感性で推測します。“どこかに栓があるのでは!?”といいます。

 金具を取り外す…、塗の表面を撫でる…。すると“ここの塗り下に栓がある!”、手触りで栓を見つけてくれました。

 御本山の御宮殿には至るところにこのような隠し栓があり、明治宮殿師の“そうは容易く分解させないぞ”という声が聞こえてきそうです。

 まるで、「細部への意識が高い明治宮殿師」VS「鋭い感覚で推理する我社の宮殿師」との知恵比べです。

 複雑難解なジグソーパズル対戦のようでしたが、結果は、師を学んで師を超える。無事分解ができました。

 そして今、逆戻しをするかのように組立のリハーサルです。ご本山よりも作業環境が良い当社工房の仕立ての部屋です。
 
 インターネットライブカメラで、だんだんと元の形に復元できていく様子を見て胸を撫で下ろしています。

 高い感性を持つ。応用が利く。洞察力がある。そして、細部に向かう高い意識。心強い当社木地職人に感謝です。


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2014年12月19日

御本尊のお身拭い

2012年2月 雪の御影堂
 2012年2月の雪の御影堂



2014年2月 雪の御影堂
 2014年2月の雪の御影堂



141219御本尊のお身拭い
 真宗本廟(東本願寺様)御本尊のお身拭いでした。

 毎年12月19日午前に執り行われる歳末行事で、仏師江里さんとご一緒させてもらいました。この重要な行事を迎えると一年間の速さを感じます。

 薄暗い御影堂九字之間に正座…、揺れる朱蝋燭の光の下 ご本尊阿弥陀如来様像の御身拭いが始まると背筋が伸びる思いです。

 これほど厳粛な気持ちを味あわせてもらえることをよろこび、この場に居合わせてもらうことができるご縁に感謝しなければなりません。

 一年の誇り拭い終わった後、目の前に安置されたご本尊に真っ先に手を合わす…、安らいだ気分です。

 南無阿弥陀仏

 合掌


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2014年11月22日

お斎ご接待

1-141122お斎ご接待
 真宗本廟親鸞聖人御正忌報恩講です。今年もまたお斎ご接待のご奉仕をさせてもらうことができました。

 私の担当は、宮御殿(みやごでん)で真宗九派総長の方々に、紋菓・抹茶・玉露をお出しし、参拝が終わられた後、一の膳・二の膳と、お斎のご接待です。



2-141122お斎ご接待
 明治27年、私の曽祖父 小堀岩吉が京都に仏壇店「小堀岩吉商店」を独立開業しました。店は京都市内各地を何度も移転しましたが、“自分の店を出すまでは羽織袴は着ない”と決意し、おかげさまで現在のご本山前に本店を構えています。

 終戦後の昭和23年8月、父がシベリア抑留から復員、苦難の中の商店の再スタートでしたが、生死をさまようシベリアの体験が父の精神を支えました。

 東本願寺様にお勤めの職員さんたちも当時はまだ職員用の役宅がなく、住むところや食事のできる食堂も少なかったようです。

 本山でもまだ施設を造られるまでになつていなかったため、地方のお寺の出身の方は時折店に泊まっていただき朝食をしてもらい、店から出勤されていたこともありました。

 曽祖父も父も商売に熱心でまた信心深く、ご本山と共に歩ませてもらった人生です。



3-141122お斎ご接待

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 ご奉仕が終わった後 私たちもお斎をいただき、なんともいえない浄らかな気持ちになります。

 帰り際、色鮮やかな庭の前で穏やかになれるのも、先人が残してくれたご縁のおかげさまです。

 合掌



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2014年09月23日

荘厳美に接する

厳格に守られた細部意匠の美…

極限の美を目にすると厳粛な気持ちになれる。

心穏やかに自然と手が合わさる。

復元はもうすぐです。

1-極限美に接する

2-極限美に接する

3-極限美に接する

4-極限美に接する

5-極限美に接する






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2014年03月30日

善徳寺様ご法要



姫路市 真宗大谷派 善徳寺様です。

御遠忌記念事業 御本堂お内陣 山門改修復工事が立派に完成されまことにおめでとうございます。

また、お荘厳一式並びに内装のご用命を賜り心から感謝申し上げます。

宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌ご法要、善徳寺様開基空専法師五百回忌ご法要が厳粛に厳修され、心静かにお詣りさせていただきました。

南無阿弥陀仏 合掌 

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2014年02月14日

白い御影堂

 東本願寺さん御影堂、屋根瓦が雪で包まれていきます。
 白く輝やく様子を本店4階の窓から記録できることが嬉しい。
 曽祖父がこの場所に店を構えてくれたことに感謝しなければなりません。


1-140214白い御影堂

2-140214白い御影堂

3-140214白い御影堂

4-140214白い御影堂

5-140214白い御影堂

 前回は2012年02月18日「白い賀茂川と東本願寺さん」でした。
 残しておきたいこれらの画像は工房見学のプレゼンで紹介させてもらいます。

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2013年08月03日

お荘厳を感じる

130803DVD真宗大谷派の儀式

 『信は荘厳なり』

 浄らかなお荘厳美が阿弥陀仏の世界を現し人々に安らぎを感じていただきます。

 理想のお荘厳を目にしたとき、おまいりされる人々は厳粛な気分を味わい心からお手を合わせていただけることでしょう。

 私たちがつくるお仏具には、仏教の思想を高めお念仏のお教えを広める重要な役割があるのです。責任は重大です。

 入社すると、整備されたマニュアルで商品知識を勉強し先輩社員からも学びます。

 新入社員が落慶法要など重い法要におまいりさせていただく機会はめったにありません。

 私たちが作るお仏具の使い方も、知識として知っていても実際に目にすることがないのです。

 昨年、難波別院様竣工奉告ご法要に二人の息子を連れおまいりさせてもらいましたが、「散華ってこういうことだったのか…」と強く感じることができたようです。


 昨年と今年で、ご縁があって多くの新入社員を迎えることができました。

 店頭で「真宗大谷派の儀式」を常に再生し、お客様だけでなく社員にも観てもらう…。

 機会があればご法要におまいりしてもらいますが、せめてDVDだけでも…、

 本店から始め各支店へ順番にDVD再生ロードにでることにします。




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2013年07月25日

東本願寺さん尾上嶽殉難

1-尾上嶽殉難
 明治期両堂再建のために全国から用材が寄進されました。

 高田教区からは上越市黒姫神社のけやきを伐り本山に献木しました。

 1883年(明治16年)、けやきの大木を本山に運ぶため山間に雪を踏み固めた道をつくり、大ぞりにのせ多くの人たちが曳いて行きました。



2-尾上嶽殉難
 突然の雪崩でお年寄りと女性や子どもらが逃げ遅れ27人の方々お亡くなりになられました。

 東本願寺さん阿弥陀堂前に尾上嶽殉難の風景模型が展示されてます。すごくリアルです。

 雪崩にのまれ血を流し倒れる人々…
 一瞬にして大切な人を亡くされた惨事に心が痛む。



3-南無阿弥陀仏
 本山再建のためにいのちをかけて精一杯の尊い行いをなされた先達に、心からの敬意を表さなければなりません。

 ふだん、何気なしに通り過ぎていたところで見つけた真宗門徒の精神世界…

 阿弥陀堂修復工事に関わる者の一人として、この時代の人たちと心を通わせておきたい。

 御影堂で南無阿弥陀仏…、合掌




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2013年07月22日

お仏具の使われ方を知る

 こんばんわ!「お仏壇ものがたり」の小堀です。

 当社にも新入社員が入社して4か月…
 それぞれの部門で貪欲に勉強してくれています。

 私たちが作る仏具はどのように使われているのか。

 先輩から口頭で教えてもらっただけではなかなか具体的な使用シーンがイメージできないでしょう。文章で覚えただけの知識は、そのまま覚えた文書でお客様に伝えるだけ…

 ところが、法要で使われてる仏具を実際に目にすると、
 “なるほど〜、こういうことだったのか”と感じ、納得します。

 ヒトは感じたことは説得力が増して圧倒的に伝わり易くなるもんです。



130722中啓

 私が初めて落慶法要にお詣りした際に、使われ方に大きな衝撃を受けた仏具に「中啓(ちゅうけい)」があります。

 僧侶が後門から出仕され、縦畳の上に立ち「中啓」を投げ落としてしまう。なんと乱暴な作法?と驚いたものでした。

 これは、広いお内陣で僧侶が同時に着座する作法だったのです。合図音は得度式のときだそうです。

 
 また、僧侶の履物である「挿鞋(そうかい)」や「藺草履(いぞうり)」は、「中啓」の柄の部分を使って向きを直します。理由は判りませんが絶対に手を使ってはならないそうです。

 「中啓」の類似品に「夏扇」がありますが、末広の形になっていません。また、末広の少ない形の「雪洞」というものもありますが、いずれも「中啓」を略したものです。

 正式な法衣を着用の際には「中啓」を使います。中啓を開いてあおいだりしてはなりません。禁じられている行為です。

 落慶法要や重い法要には、次代を担う若い人にもお詣りできるチャンスを与えてあげたいものです。

 実際に目にして感じると右脳に残ります。お客様のこころに響く説明ができるようになります。

 そうです。若いあなたに…、できるだけ法要の様子を目にする機会がもてるように…、思案中です。




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2013年07月03日

泥より出でて泥に染まらず

 東本願寺さん南側のお濠に咲く花はす「淀姫」です。

 『泥より出でて泥に染まらず』、泥の中にありながら永い年月を生きぬき毎年浄(きよ)らかな花を咲かせます。朝早く開花し午後にはつぼみの状態にもどるを4日くらいくりかえして散ります。

 浄土に咲く花として、私たちがつくるお仏壇お仏具にも多くの蓮の模様が描かれています。夕方、強い雨が降る中を撮ってきました。

1-東本願寺さんの花はす 淀姫

2-東本願寺さんの花はす 淀姫

3-東本願寺さんの花はす 淀姫

4-東本願寺さんの花はす 淀姫

5-東本願寺さんの花はす 淀姫






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2013年05月18日

東本願寺水道を歩く会

 本願寺水道が埋設されている上を歩く会に参加させてもらいました。東本願寺御修復事務所さん主催で毎年開催されてます。

 蹴上琵琶湖疏水→三条通→白川沿い→大谷祖廟(昼休後勉強会)→ 四条通→建仁寺前→五条大橋→渉成園→東本願寺の4.6キロメートル、高低差は48メートルです。


1-レンガ造りの水路橋
 蹴上にあるレンガ造りの水路橋、レンガを斜めに組み込み強度を高めたそうです。



2-田邉朔朗銅像
 琵琶湖疏水の設計施工、日本初の水力発電所を蹴上に完成させた田邉朔朗(たなべさくろう) の銅像



3-貯水槽
 本願寺水道の起点となる貯水槽です。装飾的なデザインが施され、明治の人のいいものを作ろうとする思想が伝わります。



4-大谷祖廟
 大谷祖廟さんでお昼休みです。



5-大谷祖廟で勉強会
 昼食後の勉強会、講師は立命館大学の大窪健之先生と金度源さん、ありがとうございました。



6-渉成園北側
 2012年11月、渉成園北側の上数珠屋町通りの下水道工事で送水管を発掘



7-明治時代の送水管
 渉成園内に保管された明治時代の送水管です。昭和25年に取り換えられた五条橋付近の管よりも強いことが実証されました。



8-お堀に見える送水管
 東本願寺さんお堀に送水管が通る起伏が見えます。数珠屋町通りからまっすぐ西へ伸びています。



9-水圧バルブ
 お堀前の鉄のフタを開けると水量をコントロールするバルブが見えます。



10-御影堂前の噴水
 御影堂門前で解散、噴水の水は2008年までは本願寺水道を通った琵琶湖の水でしたが、今はポンプでくみ上げられた地下水です。


 金度源さんが歩きながらもたいへん丁寧に説明をしていただきました。驚いたことは…
 
 ・会社近くの1メートル下に送水管が埋められ、その上を毎日歩いていたということ。
 ・水管直径は30センチ、その太さがもっとも水圧効果があるという高い設計力
 ・五条大橋工事の際に作り替えられた昭和の管は、明治時代の管よりも早く漏水したこと。
 ・蹴上貯水槽、水を貯めるだけのものでも意匠を施し心を込めていいものを作った。

 明治の人々のものづくりに対する想いや細部へのこだわりが伝わってきます。
 4度の延焼失から東本願寺さんの防災システムを作ろう。信心深い明治の人々の精神を動かせたのでしょう。

 そして今、東本願寺さんのために作られた水道を広く世に役立てようと「本願寺水道の再生と活用」プロジェクトが取り組まれています。
 東本願寺さんだけの安全から、広く社会全体への幸せへ…、これからの時代のあるべき姿です。

 暑い一日でした。大窪先生、金さん、東本願寺御修復事務所のみなさん、お世話になりありがとうございました。






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2013年01月31日

東本願寺さん細部意匠 木鼻(きばな)

 頭貫(かしらぬき)・肘木(ひじき)・虹梁(こうりょう)などが、
 柱を突き抜けた先端にあるのが木鼻(きばな)です。

 鎌倉時代の様式は質素で控えめな渦を巻く線様が入るだけのものでしたが、
 桃山時代になると武将の威厳を誇示するかのような派手な様式になりました。

 象・獅子・獏(ばく)・龍などの彫刻が付けられ、
 象鼻・獅子鼻などの意匠から木鼻と呼ばれます。

1-真宗本廟様 御影堂門の木鼻
 真宗本廟様御影堂門の木鼻、彫刻はなく線様だけの控えめな美です。



2-小堀京仏具工房の宮殿(くうでん)木鼻
 当社小堀京仏具工房の木地師が作る宮殿(くううでん)の木鼻



3-わが社の天才職人絶賛の木鼻
 当社木地師絶賛の木鼻。
 彼は工房に戻ってくる寺院の古材や修復仏具が「学(まね)び」のチャンスといいます。

 宮大工西岡常一さんが弟子に教えを尋ねられたときのくちぐせが…、
 『自分で考えなはれ!』

 "技はぬすめ!"は、効率の悪い技術伝承方法と思っていのたですが…
 教えてもらうばかりでは身に着かない。応用や工夫もできなくる。

 自分で考え身に着けた答えは、そうは忘れることはない。
 なるほど『自分で考えなはれ』は。理になかった教育方法です。



4-小堀仏具宮殿(くうでん)屋根先の木鼻
 当社の木地師がつくる宮殿屋根先の木鼻



5-西本願寺さん阿弥陀堂後拝の木鼻
 西本願寺さんの木鼻は彫刻が入ります。(阿弥陀堂後拝の獏木鼻)



6-東本願寺さん阿弥陀堂門
 真宗本廟様阿弥陀堂門につく木鼻には彫刻が入っていますが例外的です。


 真宗本廟様の建築物にはたくさんのパーツが組み合わされています。
 ひとつひとつのパーツはいたって控えめで謙虚です。

 それぞれのパーツが「主役は自分」となれば全体バランスがくずれるでしょう。
 日本人の自己のあり方「おかげさま」、それが日本人の平安感覚と美意識です。

 自分だけが目立とうとしない「おしとやかさ」、
 だからこそ自然と融合し全体が調和する。

 心が安らいで落ち着いた気持ちになれる。自然と手が合わさる。
 理屈では説明できない極めて優れた細やかな意匠です。

 それが真宗本廟様の細部に見ることができる日本人らしい意匠です。
 
 



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2012年12月19日

御本尊御身拭い

真宗本廟様

 今日の午前は東本願寺様「御本尊身拭い」が執り行われました。

 毎年12月19日に行われます。仏師江里さん、弊社商品部長と私の3名で伺いました。

 阿弥陀堂ご修復の間、御本尊阿弥陀如来様は御影堂にご安置されています。

 昼なお暗い御影堂九字之間に入ると、それだけで何ともいえない厳粛な気持ちにさせてもらえます。

 朱蝋燭の光に照らされるなか、阿弥陀如来様の御身拭いが粛々と進められ…、

 私たちは御台座を分解し毛払いで煤払いをさせてもらいました。

 2時間ほどの作業ですが、終わったご本尊に手を合わす…、

 身も心も浄められ安らいだ気分です。

 阿弥陀如来様に近づけることの喜びを味あわせてもらい、

 今日一日、今もなお穏やかです。

 南無阿弥陀仏

 合掌






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2012年11月22日

真宗本廟お斎ご奉仕

1-真宗本廟お斎お手伝い

 今年も真宗本廟お斎のお手伝いをさせてもらいました。
 毎年、大谷派保信会加盟業者がご奉仕をします。
 最初に宮御殿で真宗九派総長の抹茶とお斎のご接待です。



2-真宗本廟宮御殿 お斎お手伝い

 大寝殿の南西にある宮御殿は、大宮御所に建てられた御殿をご御下賜され修築されたものです。
 所作のレクチャーをうけるのですが年1回のことでなかなか身に付きません。
 紋菓・抹茶・煎茶、膳の出し方などたいへん勉強になりありがたいことです。



3-真宗本廟 白書院東側の回廊 お斎お手伝い

 能舞台の北側、白書院の東側にある回廊です。
 報恩講の季節は毎年このロケーションに目を奪われ、
 お手伝いの合間にひそかに楽しんでいます。



4-真宗本廟お斎

 次に大寝殿で一般参詣の方のお斎配膳、そしてすべてのご奉仕が終えようやく私たちの番です。
 全国の講からもちよられた材料です。残さず、音をたてず、厳粛にいただきました。
 お斎の冥加金は一人3800円、当日の申し込みもできます。




5-真宗本廟お斎お手伝い終了 本店お内陣で

 今年も無事お手伝いが終了、本店の内陣で記念写真…
 曽祖父が「本山前のこの地に店を構えるまでは羽織袴は着ない」
 そう心に決め商道に励まれた言い伝えが思い浮かびます。

 報恩講のご奉仕…
 歳とともに配膳には腰に負担がかかるのですが、
 終わったあとは何ともいえない穏やかな気持ちが味わえる。
 来年もまたよろしくお願いします。



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