2015年04月17日

御本山御宮殿の仮り組み

2-宮殿仮組

1-宮殿仮組

 真宗本廟様御宮殿の仮組みです。

 「明治造営百年東本願寺」によると、御本山明治造営は、明治13年(1880年)起工、明治28年(1895年)完成、棟梁(1等)及び等級大工(〜9等)、御厨子係6等、雇入職工(厨子職 宮殿職 金箔職 塗師職 39種)、他に寄進職工と手伝大工。国産銅は規格が小さく西洋銅を使用したという記録もあります。

 そして、御宮殿は明治27年3月20日(1894年)宮殿上屋根木地出来塗師着手中と記されています。

 1895年、明治造営完成の年の1月に私の曽祖父 小堀岩吉が本家より独立し京都に開店しました。開店当初は仏壇が中心でしたが、650回忌の頃から大型寺院仏具の受注が増えだしました。

 信心が細部への関心の強い人を育てました。そして、日本人の需要レベルの高さがモノ作りの水準を高める役割を果たしたといえます。

 敬虔な信仰心が需要側の要求レベルを高め、供給側はこれに応えるために技術向上に努めました。質的需給バランスです。

 御本山の仏具には目を見はるほどの高品質なものが多くあり、今では作るのは至難の技です。細部にまで精巧美麗…、残念ながら技術水準は120年前の方がはるかに高いといえます。

 2年前、御本山で御宮殿を分解のときのことです。仏具はホゾ穴に差し込んで部品と部品をつなぎ、接着はしません。ですから引っ張るとかんたんに抜けるはずです。ところが、どんなに強く引っ張っても抜けません。びくともしないのです。

 そこで、当社の極めて高い技術を持つ木地職人が鋭い感性で推測します。“どこかに栓があるのでは!?”といいます。

 金具を取り外す…、塗の表面を撫でる…。すると“ここの塗り下に栓がある!”、手触りで栓を見つけてくれました。

 御本山の御宮殿には至るところにこのような隠し栓があり、明治宮殿師の“そうは容易く分解させないぞ”という声が聞こえてきそうです。

 まるで、「細部への意識が高い明治宮殿師」VS「鋭い感覚で推理する我社の宮殿師」との知恵比べです。

 複雑難解なジグソーパズル対戦のようでしたが、結果は、師を学んで師を超える。無事分解ができました。

 そして今、逆戻しをするかのように組立のリハーサルです。ご本山よりも作業環境が良い当社工房の仕立ての部屋です。
 
 インターネットライブカメラで、だんだんと元の形に復元できていく様子を見て胸を撫で下ろしています。

 高い感性を持つ。応用が利く。洞察力がある。そして、細部に向かう高い意識。心強い当社木地職人に感謝です。


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