2014年07月15日

京仏壇・京仏具の価値を伝える

 京仏壇・京仏具の製造工程と流通はそれほど複雑ではありません。

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 標準的な工程の一例です。京都では細分化された工程を専門技術者の分業で進めます。

 尊い信仰心によって需要側が高いレベルの品質を求めました。供給側はそれに応えるために仕事領域を集中し専門職化しました。

 例えば、「うるし塗り」の次工程の「蝋色(ろいろ)」は、塗り上がった表面を磨いて仕上げる工程ですが、それだけで専門の技術者が登場します。

 蝋色師には塗師の技術水準が一目で判る訳ですから、職人は常に次工程のチェックと評価を気にすることでしょう。モチベーションを高めることもあります。

 木地師はうるし塗りで厚みが増える分を差し引いて木を削ります。次工程への微妙な気遣いが必要になるのです。



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 御本尊を安置するメインのお仏具、本願寺派用宮殿(くううでん)の斗組です。宮殿の屋根を支えるのに重量を分散させるパーツです。数多い部品がパズルのように組み込まれていきます。



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 隅々まで漆箔作業ができるよう分解性良く組み込みます。また分解可能な構造が将来、修復をし易くします。


 日本人の信仰にある山川草木悉皆成仏…、すべての自然が私たちを生かしているという思想です。

 私たちは木やうるしなど、いたっていのちある材料を使います。そしていのちある材料で完成したお仏壇やお仏具に手を合わせ、ときには生きる力を感じてくれる人がおられるのです。

 ここに私たち、仏壇仏具を作る存在意義があるというこうとです。

 京仏壇・京仏具を扱う店はこれらの工程をアッセンブリーする製造元でもあり、完成した製品は小売り販売します。

 京仏壇・京仏具は高額なだけに余分な流通コストがかかっているのではと疑念を抱く方もおられるかもしれません。しかし、流通組織を抱えることもない製造小売りの業態です。

 一次問屋や二次問屋など複数の中間業者を経由することもありませんので至ってシンプルです。流通コストもセーブされます。

 ではなぜ高いのか?

 精魂込めて細部まで精度の高い製品を作っていることがコストに跳ね返っているということなのです。

 但し、「手間=価値」は作り手や供給側の言い分です。時間をかけ丁寧に作っているからという価値の押し付けだけでは通用しにくい時代です。

 新しい技術や材料の登場で、完成した瞬間は一見京仏壇・京仏具と似たような製品が作れるようになりました。10年後、20年後には違いが鮮明に判るようになるのですが…。

 価値の見極めが難しい製品を作っている私たちのじれんまです。判りにくい価値をどうやって伝えればいいのか…。工夫が必要です。京都の業界人に課された重要テーマの一つです。



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