2017年01月04日

真宗本廟細部意匠 桁隠(けたかくし)

 東本願寺さんの阿弥陀堂、御影堂、山門、鐘楼堂の建造物等、細部に普遍的な様式美があります。

 呉善花(お・そんふぁ)さんの「日本の美風」から引用させてもらうならば「形式美のなかにある自然のリズム」、ご本山の細部意匠にはそんな美意識が伝わってきます。

 桁隠(けたかくし)は懸魚(げぎょ)ともいい屋根の桁を隠す部材です。斜めの位置に取り付けられバランスを保つのが難しいようです。斜面から垂れ下がっても下半分では水平を保ち、きちんと左右が対称になっています。

 ハート型でくり抜かれた猪目(いのめ)、内巻きの蕨手(わらびて)など、原則的な線様が宗派に根ざした様式として守り続けられています。

桁隠

 左が、日本人が美を感じる左右対称、垂直水平の桁隠。斜面から垂れ下がっても下半分では水平を保ち、きちんと左右が対称になっています。
 中央にハート型でくり抜かれた猪目(いのめ)、内巻きの蕨手(わらびて)が礼儀正しく配置されてます。

 右は、垂直水平が保たれていない桁隠。最初はそれほど気付くことがなくてもだんだんと違和感を感じます。以外とよく見かけます。


1-桁隠(けたかくし)

2-桁隠(けたかくし)
 写真は御影堂門北側の桁隠です。修復後にその細部意匠が一層鮮明になりました。
 複数の建造物、さらには私たちが作るお仏具にも原則的な線様として使われ、宗派に根ざした様式として守り続けられています。

 やっぱり日本人はこういう厳格な細部意匠によって心が和み、穏やかな気持ちになれます。
 私たちが作る仏具も、この伝統美を守り続けることで、永代心から手を合わせてもらえるお荘厳を完成することができます。

 細部の意匠を守り、受け継いでいくことも私たちの大切な役割のひとつです。


 *2012年のブログをリニューアルしました。


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