2006年12月30日

如来さまお身拭い 仏壇life

061230仏壇そうじ061230如来さまのお身拭い










 わが家の仏壇は 30年前たまたま私が製作にかかわった新型仏壇です。

 二つ製作して、一つは兵庫県のお客様がおもとめくださいました。

 一家でご来店、お嬢様が‥

  “亡くなったお姉ちゃんがワインレッド色が好きだったから‥”

 とこの仏壇をお選びいただきました。

 なんともいえない透明感のあるワイン色を表現してくださったうるし塗り師‥、塗りのカドはシャープに研ぎ澄まされた包丁の刃のよう。

 建築家にデザインしていただいた製作困難なこの仏壇を具現化してくださった金具師‥、扉のかんぬき金具は今だに寸分のくるいもない。

 これらの職人さんはすでに亡くなられました。

 その技と精神を受け継ぐ後継者もいません。

 手入れをする毎に完成した当時の質感が蘇るという仏具だけが残されています。

 ものづくりに対する意気込みは刺激的で、独自の技を創りあげた方々です。

 強烈な個性、頑固一徹‥

 ですから公の団体にも所属しません。

 よって叙勲を受賞するなんてこともありません。

 まさに仏壇屋さんの舞台裏

 もっともご本人たちは序列で受けるそんな表彰には一切の関心も示さなかったですけどね。

 全国各地のお寺様に残された数々の逸品は、やがては大きな功績として評価されることでしょう。

 こういった匠たちがこの10年で途絶えていく様子はほんとうに残念なことです。

 日本の伝統技術の衰退を意味します。

 子どもたちに京仏具工房で金ぱく押しの体験をしてもらったり、京仏具資料館を見てもらったり‥

 ささやかな活動ですが、ほんものが見える目を養ってもらう機会になればと、できる限り続けていきたいと思います。

 家の仏壇そうじは私が担当‥

 細部を見入ってしまい手入れをするもんですからついつい時間が経ってしまいます。

 さ〜、如来さまのお身拭いに集中しよう‥

 合掌

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この記事へのコメント

1. Posted by 高木   2006年12月31日 23:56
今年最後のブログ、心の垢も拭われるような文を読ませていただきました。ありがとうございました。

あと5分ほどで年が明けます。

来年もすばらしい年でありますように。
2. Posted by 衣笠山のポパイ   2007年01月01日 02:42
小堀様 行く年、本当に有り難うございました。

来る年、本年もどうぞよろしくお願い致します。

父親が受賞した時代は職人の誇りとして大変価値があったと思っていますが、その価値を喪失した現行制度のあり方に如実に現れております。

3. Posted by 小堀 進   2007年01月01日 09:15
高木さま、明けましておめでとうございます。
暮れにmixiでご縁をいただいたばかりの若葉マーク付ですがどうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。
日本人の作り手の精神を‥、微妙なニュアンスを‥、世界の人たちに発信したいと思っています。何卒ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。
4. Posted by 小堀 進   2007年01月01日 09:27
衣笠山のポパイ さま、新年あけましておめでとうございます。
純真な精神で始められた表彰制度も、選ぶ側のしがらがにじみ出て、ずいぶんと意味合いが変わってしまいましたね〜。
つい最近の受賞祝パーティで、“祝賀会費用が負担になるんで受賞を辞退しようかな〜”なんて笑い話が出てました。
ポパイさまのおっしゃいます通り、賞の価値がずいぶん変わってしまったということなんでしょうね。

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