2006年10月25日

お仏壇ってなに?

061025おぶつだんってなに?  - お仏壇はいのちのふるさと -

 お仏壇とはなんでしょうか。仏さまをご安置してある壇といってしまえば、その通りでしょうが、実はそう簡単に考えてはなりません。お仏壇は今日のような時代にこそ、大きな意味をもって来るものです。
 今日の日本は、個人尊重の時代と申しますか、まず自分を大事にする、と考えるようになっています。確かに自分を大事にしなければなりません。それには、大切にしなければならぬ自分とは一体なんであるのか、そのことにも気づかないといけません。仏教とは、そのことに気づくための教えとも言えます。気づくといっても、仏教の本を読んだり、お坊さんのお話を聞いて、「ハハァー分った」と、うなずいただけでは信仰・宗教とはいえません。分ったことが毎日の生活と結び付いた時に信仰となり、心を大きく変えてゆきます。
 その”信仰”の行いに、お仏壇はなくてはならないものなのです。仏壇は”信仰の入口”に当たり、”帰依所の入口”なのです。帰依所とは「帰る拠り所」であり、言いかえれば「心の故郷」で、自分を含めて先祖もみんなが来たところと言えるでしょう。
 この世に生をうけたわれわれには、 自分がそこからやって来た故郷−−生命のふるさとがなかなか分りません。お母さんのお腹があるじゃないかと思うかも知れませんが、お母さんのお母さん、そのまたお母さん・・・とさかのぼって、結局どこから来たのだろうか。簡単にわからないでしょう。しかし仏教では、そこを帰依所と説き、ご本尊の仏さまを仰ぎ、お釈迦さまの教えに聞き入り道を求めていくとき、自分の生命のふるさとを覚ることができるのです。
 お仏壇が、そういう帰依所であり、私自身の生命の故郷をそこに見るのだ、ということが解りますと、これはたいへん大事な場所であることに気がつきます。
 お仏壇は、仏教の宗派によって型やつくり、おかざり(荘厳、宗派によっては「そうごん」)の方法がちがっておりますが、もっと身近に”わが生命の故郷”と受け取ってみるとき、どんなに光り輝いて見えることでしょう。その故郷の場において、わが生命の根源を讃え、自分が生かされている今日を感謝し、また故郷の風光を美しく飾ろうと思い立つのは、心の自然なうごきというものです。
 レジャー時代の今日、ふるさとへの旅行は大変魅力があるようです。自分が、そこで生まれ育った環境、お世話になった人々、愛され導かれたご恩の数々・・・をしのべるからです。故郷にいたころは、その土地から自分の将来について夢をいだきました。逆に今、我々はふるさとに夢をいだきます。
 お仏壇に毎日お参りすることは、ちょうどこのことと同じです。まず心が、わが生命のふるさとへ向かいます。仏さま、ご先祖の恩恵に感謝いたします。故郷に遇えた心は、さらに人生の旅の前途を望みます。昔はそれを後生の一大事を思うといいました。仏教のおしえに導かれて、正しく自分自身を見つめ、悔いのない堂々とした人生を歩ませていただくのです。
 お仏壇は、信仰生活の”入口”と同時に帰依所であるという意味は、このことをいっております。自分の未来をも望む場です。ですから、自分の家に死人が出ないから、まだお仏壇は要らないというのは間違った認識です。そのため、どの家庭にもお仏壇が必要です。自分を大事にし、自分が何者であり、どこから来てどこへ行こうとしているのか、それを何より深く追求するために、お仏壇を生活の場の中心としなければなりません。

susumukobori at 13:20│Comments(0)TrackBack(0)clip!仏事百科 

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